三幅一対の釈迦三尊図は黄味を帯びたやや粗目の絹を用いたうえに墨を主として描かれ、部分的に朱・緑青などの顔料を使用している。 主幅は縦97cm、横44cmの大きさで、釈迦如来像が正面向きに描かれている。右手に蓮華を持ち、左手を腹前に置き、条相部に唐草を施す袈裟を着し、岩座上の白蓮華に結跏趺坐している。 右幅の文殊菩薩像は右手に如意、左手に経冊を持って獅子上に坐している。 左幅の普賢菩薩像は両手で経巻を開いて持ち白像上に坐している。 鎌倉末期以降に描かれた水墨道釈画の伝統にしたがったものであろうが、本図は温雅にまとめられているところから室町後期の作と思われる。
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