萩城の概要と特徴

 中国山地から日本海へ流れ出る大河阿武川が河口付近で橋本川と松本川に分流し、その両岸が挟む三角州に萩城とその城下町が築かれている。その三角州は広大で、南北約2km、東西約3kmに及ぶ。萩城の中心部は、三角州の北端に位置する指月山の南麓にある。
 萩城は毛利輝元が築いた近世城郭であり、指月山頂に詰丸、その南麓に本丸を配した、山城と平城を混在させた海城の縄張りが特徴である。三面は海で、本丸の南方には、内堀、中堀、外堀の三重の水堀を設け、外堀より外の三角州には城下町が広がっていた。
 本丸は内堀に囲まれ、二の丸は南側に中掘をめぐらし、城郭三方を土塁・石垣・土塀と櫓で囲んだ。山頂の要害である詰丸は、高さ約3mの石垣と鉄砲狭間のある白亜の土塀で囲み、要所に櫓6棟と櫓門1棟を配置した純粋な軍事要塞であった。詰丸にも東に本丸、西に二の丸が設けられた。

1. 天守閣
2. 萩城古写真と現在の姿
3. 城下町絵図